天空の蜂 レビュー【★4】【サスペンス/ハラハラする/社会派】

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基本情報

作品名 天空の蜂
ジャンル① 一般小説
ジャンル② サスペンス,科学
出版社 講談社文庫
著者 東野圭吾
wiki Wikipedia 「天空の蜂」

評価

総合評価 ★★★★ オーソドックスな東野圭吾作品といえる。安定した面白さ。
ストーリー ★★★★ 原発というテーマを取り扱っており、知識がない人でも理解しやすい内容になっている。登場人物達の思いや感情などはリアルに描かれている。個人的に犯人の目的が分かりづらかったのと、結末がちょっと物足りない。
文体・設定 ★★★★ ストーリーでも触れているように、原発やヘリコプターなどの専門的な知識について、知らない人にも分かりやすく説明があり、しかもそれが物語の展開を邪魔していないのが秀逸。劇中で子供の救出シーンがあるが、ネットの評判などを見ると非現実的らしいが、素人の私が読んだ限りでは、あまり感じなかった。

作品紹介

錦重工業小牧工場試験飛行場の第三格納庫から
軍用の巨大ヘリコプター「ビッグB」が「天空の蜂」を名乗るテロリストに制御を奪取された。

その日は、航空自衛隊への正式納入を間近に控えた領収飛行が行われる予定だったが
「ビッグB」は大量の爆薬を満載したまま、テロリストの遠隔操縦によって
福井県の高速増殖炉「新陽」の上空へ飛び去った。

日本政府へ届いた脅迫状は
現在稼動中や建設中の原発の発電タービンを全て破壊せよ
さもなくば巨大ヘリを「新陽」に墜落させる、という驚くべきものであった。

「ビッグB」が上空にホバリングしていることの出来る時間は8時間ほどしかなかった。
その上、機内には、見学に来ていた子供が取り残されているという、テロリストにとっても予想外の事態が判明する。

燃料切れによる墜落というタイムリミットが迫る中
自衛隊は原子炉の真上でホバリングしたままのヘリから子供を救うという難しい任務に挑む。

一方、原発の安全神話を掲げてきた政府は、テロリストの要求にどう対応するか逡巡するのだった。

寸評

たまには一般小説のレビューもしてみよう。
ということで、東野圭吾作品「天空の蜂」レビューです。

…そもそもの話ですが、「ラノベ」に対して「一般小説」って区分けが
正確なのかどうかは分かりません。

旅行とかで長距離の移動がある時は
好んで一般小説の文庫本を購入するんですが
書店で最初に見て回るのが、東野圭吾か宮部みゆき作品なんですよねー。

どっちの作品も母親が好きで
母親から買った本を、よくお下がりで譲ってもらっていました。
その内に、私もどんどんのめり込んでいった感じです。

そんなこんなで今回手に取ったのが「天空の蜂」
2015年には映画化もされた作品ですね。

本作に限った話ではないのですが
東野圭吾さんは東工大出身ということで
科学技術の知識が半端ないんだと思います。
他の推理物とかでも、科学的な仕組みを使ったトリックが
数多く取り扱われます。

私はバリバリの文系なんですが
そんな私でも、作品に出てくる科学的なことがすんなりと理解出来るんです。
中学生ぐらいの読解力があれば、ほとんどの人が理解できるようになっています。

本職の人からすれば、何も分かってないって言われそうなレベルですが
少なくとも作品を楽しめるレベルの理解はできます。

こういった自分の得意分野の世界に
自然に読者を引き込むことが出来る作家さんて尊敬できます。

本作は原発問題をテーマとして取り扱った物語となっています。
普段当たり前に私達が使っている電気を作っている原発って
こういうものなんだよ、っていうのが分かりやすく描写されています。

一般的に原発って危険っていうイメージがありますが(少なくとも私個人は)
作中では、どちらかというと危険というイメージに対する反論。
事故が起こったら危険だけど、事故が起こらないように万全な対策が出来ている
という方向で話が進んでいきます。

そんな政府が謳う原発の安全神話に挑戦するかのように
最新鋭の大型ヘリコプターを乗っ取り
全国の原子炉を稼働停止させないと
乗っ取ったヘリを特定の原子炉に落下すると脅迫してくるテロリスト。

ヘリの落下で原子炉は暴走するのか。
テロリストの要求を飲むことは安全神話の崩壊を意味します。
現場、省庁、警察、一般人……様々な立場の登場人物の想いや考えが絡み合い
読者も原発の是非を考えさせられるような内容となっています。

重苦しいテーマだけではなく
乗っ取られたヘリコプターに取り残された子供を救出する
アクションシーンもあります。
小説のアクションシーンって描写が凄く難しいと思うんですけど
本作は楽しめました。

最新鋭のヘリコプターを乗っ取った方法も
専門的な仕組みを利用したトリック?みたいな感じで
「へー、最近の科学技術って進んでるんだなー」って思いました。
(ごめんなさい、素人なんでこんな感想しか出てきません)
ちなみに、初版自体は結構昔の作品らしいですけど。

物語を追う中で、自分の知らない知識を得られるので
東野圭吾作品はそういった楽しさ・面白さもありますね。

レビューまとめ

小説として、総じて質が高い作品だと思います。
小説をあまり読まない人にもおすすめできる良作です。

面白さが科学的な専門知識に依る部分もあるので
そういうのにあまり興味がない人とかは、面白さが半減するかも。

ちなみに寸評の冒頭にも書いてある通り
本作は2015年に映画化されていますが
ネットの批評を見るばかり、あまり評価が芳しくないみたいですね。

政府の対応とか、子供の救出劇とか
非現実過ぎてひどい、といった感じみたいです。
私は、知識全くないということもあり、全然気にならなかったですけど。

あくまでもフィクションなので
そこまで批判される点でもないような気がしますけどね。

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