銀翼のイカロス レビュー【★3】【逆転劇/政治的駆け引き】

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基本情報

作品名 銀翼のイカロス
ジャンル① 一般小説
ジャンル② 社会、経済、金融、政治、エンタメ
出版社 文春文庫
著者 池井戸潤
wiki Amazon「銀翼のイカロス」

評価

総合評価 ★★★ 半沢直樹シリーズ第四弾。銀行に戻った半沢がシリーズ最大の敵である「国」に挑む! 企業VS企業の経済や銀行の人事問題だけではなく、政府を相手に半沢は己の信念を貫き通す。
ストーリー ★★★ 敵が国交省大臣や一党首の重鎮という、今までにない強大な敵との駆け引きや対決が描かれている。物語としての質は間違いなく高いが、さすがにシリーズ4回目となると、ワンパターンさを顕著に感じる。バッドエンドにしたらダメな作品だけど、それ故に結末が読めてしまうのが残念。
文体・設定 ★★★★ そんなに政治の仕組みとか細かいことを知っているわけではないけど、架空の政党や首相の名前を使いつつ、設定は人物関係などはとても分かりやすかった。誰と誰がどうして対立しているのかもわかりやすいので、内容はとても理解しやすい。リアリティについては、政治的なことに無知なので何とも言えないが、違和感はなかった。

作品紹介

半沢直樹が帰ってきた!
今度の敵は政治家だ!

出向先から東京中央銀行本店に復帰した半沢直樹に頭取から大仕事が降ってきた。
破綻寸前の航空会社、帝国航空の再建を担当せよというのだ。

だが折しも政権が交替。
新政権の国土交通大臣は野心にみちた女性閣僚は帝国航空再生タスクフォースを起ち上げ、半沢たちに巨額の債権放棄を要求してきた。

500億円もの借金の棒引きなんてとんでもない! だが相手が大臣ではさすがの半沢も容易に突破口を見いだせない。
しかもなぜか銀行上層部も半沢の敵に回る。この一件のウラには何があるのか?

かつて半沢と舌戦をくりひろげた「金融庁一の嫌われ者」、オネエ言葉の黒崎駿一の思惑もカラみ、銀行に隠された大きな闇も見え隠れする。
果たして半沢の運命やいかに?

寸評

お馴染み半沢シリーズ第4弾。
既刊の内では最新作となりますね。

今回は、赤字経営に窮する航空会社救済がテーマ。
しかし、当事者である航空会社の面々は
国からの支援をあてにしていて、危機意識ゼロの殿様気分。

一方、国は政権が交代した直後で
アイドル的な意味合いで、国交大臣には若い女性が任命され
その新国交大臣は、自らの実績のために航空会社救済に介入してくる…

真に航空会社のことを考えてながら
真摯に救おうとしているのは
銀行員の半沢一人。

半沢属する営業部は
今回の航空会社救済という業務は担当外にも関わらず
頭取直々の指名で、半沢が担当することとなったわけですが
皮肉にも、元々は一番関係がないはずの半沢が
一番真剣に、航空会社のことを考えているという。
そんな状況で今回の話は始まります。

そんな感じで、今回半沢の前に立ちふさがるのは
国交大臣という「国」相手になります。

これまで倍返ししてきた相手とは一味も二味もスケールが違う相手。
銀行に要求してくることもスケールが段違い。

航空会社を救済するために「今までの借金をチャラ」にすることを
銀行に要求してきます。

今までの相手みたいに
雲隠れしようとしたり、相手を騙そうとするならまだ可愛げもありますが
今回は正面から正々堂々「借金をチャラにしろ」と言ってきますのでびっくりです。

これはフィクションですが
現実でも変な政党が政権を取ったりしたら
普通にあり得ることなんですかね?
そう考えると、ちょっとゾっとしますね。

勿論、そんな筋が通らない暴論に半沢は反抗するのですが
国内でも有数のメガバンクともなれば
銀行内部の幹部とかに、政治的しがらみが無いはずがなく。

いつものように、国の要求を受け入れようとする銀行幹部の判断と
真っ向から反対する半沢の、内部対立も描かれます。

尚、今回はドラマでもおなじみ
久々の金融庁の黒崎調査官が登場します。

いつものように、最悪の敵として描かれていますが
今回は利害が一致する面もあり、意外にも…?な展開も。

そして行内融和政策を進めようとする
中野渡頭取の苦悩や判断も、これまで以上に描かれています。
果たして、最終的に中野渡が下した決断は……?

まとめ

政治の世界には詳しくなくても
色々と仕組みや人物関係は分かりやすく
読み進めやすかったです。

ストーリーも、相変わらず安定した面白さが。
突き付ければ単純な「勧善懲悪」ものなんですが
やっぱり、シンプルに悪を倒して正義が勝つ、という構図は面白いです。

但しテーマがテーマだけに
展開が読みやすいのは仕方ないか。

さすがにシリーズ4回目ともなると、マンネリ感が……
テコ入れに期待ですね。(少年ジャンプ感的な期待)

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