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吐き気を催す英雄の冒険譚 レビュー【★3】

基本情報

作品名
※タイトルクリックで作品ページへ
吐き気を催す英雄の冒険譚
ジャンル① ライトノベル
ジャンル② ハイファンタジー、異世界転生、冒険、恋愛、友情
掲載サイト カクヨム、他
レビュー範囲 プロローグ~第3章海洋都市クチュール編
著者 おかか貯金箱(Twitter

評価

総合評価
★★★
・異世界ファンタジーが舞台の物語で、世界観が細かいところまで作り込まれている。
・俺TUEEE系ラノベと同じ流れを汲みつつ、キャラ設定やストーリーが丁寧に作り込まれており、既存作品とは一線を画する魅力が詰め込まれている。
・ドラクエなどの大作RPGの冒険譚が好きな方には間違いなくお勧めできる。
・キャラのセリフ、文体共に平淡な印象があり、やや盛り上げに欠ける感あり。
ストーリー・設定
・それぞれの地域に暮らす人々の食生活や宗教など、本当に細かいところまで世界観の設定が練り込まれており、読み応え〇。
・新しい出会い、仲間との交流を深めて成長していく流れはテンプレではあるものの、テンプレらしく安定した楽しさがある。
・辛い境遇から自身の努力で人生をよりよくしていくという、読者が感情移入しやすいストーリー展開。
・日常パート、事件パートなどバランス良く、読んでいて間延びすることがない。
キャラ
・主人公のキャラ作りが上手い。本人の性格から生い立ちまで、いい意味で計算して作られているキャラに感じられた。
・主人公を取り巻く周りの人間も、それぞれ個性的で良い。個人的に台詞だけで誰が喋っているか分かるくらいの個性付けが大好き。
・主人公の性格・才能が、(未熟な部分も残しつつ)ほぼほぼ完璧人間で、どんな事件も思うがままに解決出来てしまう。そのため、ストーリー的に盛り上がりに欠けてしまう印象。
文章
・総合評価に書いた通り、全体的に淡々とした印象。もっとラノベらしく、熱く描写する部分があっても面白かったかも。

あらすじ

いわゆる異世界転生をした私は、醜いという理由で森に捨てられてしまった。
森に住む魔女に拾われた私は、成長し冒険者となって、やがて世界を見るための旅に出る。

作品ページ(カクヨム)あらすじより引用

寸評

レビュー企画第3弾は
おかか貯金箱先生の「吐き気を催す英雄の冒険譚」を読ませていただきました!

いつも最初に書いていますが
今回も素晴らしい作品に出会わせていただき、まことに感謝しております。

企画にご応募いただきまして、ありがとうございました。

……そして、今回は大変お時間をいただいてしまい、申し訳ございませんでした。

ブログ更新自体のモチベーションが下がってしまっておりました。
本当に本当に申し訳ありません。

それでは早速レビューに入っていきましょう!

「吐き気を催す英雄の冒険譚」ですが
本作の最大の魅力は、徹底的に作り込まれた世界観でした。

現代世界で命を落とした主人公が、異世界ファンタジーの世界へ転生するという
いわば、なろう系小説の主流となっているテンプレ設定です。

そしてご多分に漏れず、主人公ルークもチート級の才能を有しています。

しかし、本作は他の俺TUEEE系の作品とは違い、その圧倒的な俺TUEEEは前面に出てきません。

それよりも、主人公達が生活している地域や旅先の生活や文化が丁寧に描かれており
現実世界に即しながら、それでも現実世界とはちょっと違う、異なる世界の世界観を楽しむような作品です。

主人公が旅する理由も、魔王を倒すとか世界を救うとか、そういった高尚な感じではなく、色々な国を見て、色々な物の食べたい…という気軽なもので、正に旅行気分。

異世界ファンタジーの世界を、主人公と一緒に旅をしているような感覚で
彼が行く先々での人々との交流やイベントを楽しむことが出来ました。

彼を取り巻く仲間達も、これまたオーソドックスな流れを汲んでいます。

私が読んだ3章までの時点で
死ぬところだった主人公を拾って育てた、師匠的存在の魔法使い
幼い頃から一緒に育った双子の姉弟や、旅先で出会った修行中のシスター(…という呼び方でいいのかな?)

何かこうして改めて書き並べていくと
これだけで、ファンタジー世界の冒険物語の想像が広がっていってワクワクしますね。

そんな仲間達との交流を重ねて、絆を深めて、成長していきながら
旅先で起こる様々な事件を解決していく物語。
タイトル通りの、正に「冒険譚」です。

本当に、ドラクエなどの大作ファンタジーRPGが大好きな人にはお勧めできる一作です。

あと、私が感心させられた設定について触れておきたいと思います。

タイトルに「吐き気を催す」とありますが
これはあらすじにもあるように、そのものズバリに言うと主人公の顔のことです。

転生前の現実世界でも、転生後の異世界でも
見ているだけで吐き気を催すほどの容姿で生まれてきてしまった主人公。

いわば、俺TUEEE系主人公としての最大の弱点と言うべき点でしょうか。

この設定、本当にすごすぎて、私の想像を超えました。

今から言うことは嘘じゃないですよ?
本当のことですよ?

話がある程度進んだあたりで、遂に主人公は、顔を見せただけで相手を殺すようになります。

いや、本当に驚きました。
いくらラノベとはいえ、ここまでやるか。

なんだか、誰もが思い付きそうだけどなかなかやらない設定を盛り込んできたなー、と思いました。

で、あんまりにも荒唐無稽というか、衝撃的な展開だったので、「これはギャグとして受け取ればいいのか? シリアスとして受け取ればいいのか?」と迷いましたが、実はここに作者様の伏線が張り巡らされてるような雰囲気が……

残念ながら、私が読んだ3章時点では、それが回収されることはありませんでしたが
見事なタイトル回収(まだ回収していないけど)だなと思いました。

醜い顔は主人公の「薄倖」という設定強調のためだけだと思っていたのですが
物語の根幹に関わってくるんですかね?

3章以降、主人公の醜い顔に関わる部分がどう展開されていくのかが気になります。

あ、ちなみにこれらは全部褒め言葉ですよ。
あしからず。

最後に気になった部分についても触れておきます。

台詞や文体など総合的に、ちょっと平淡な印象を受けました。

色々な事件、それこそ人死にやら人身売買やら、割とハードなことが起こるんですけど
いかんせん、主人公がチート級の才能を持っているものですから
あんまり苦労したり悩んだりすることなく、楽に解決していってしまうんですよね。

※ちなみに本作の主人公がチートなのは、現代知識や道具などを使うのではなく、転生先の世界に基づく才能(魔法とか)です。転生者ながら、現実世界の要素が無いチート能力は、独特な設定だと思います。

おまけに、非常によくできた性格をしておりまして。

何せ、醜い顔のせいでいじめや虐待を受けていたのですが、それでもそれをしてきた相手を憎むことをしない程の人格者です。

異性を始めとした人間関係に疎かったり、細かいところで未熟な部分もあるにはあるのですが、全体的に見るとほぼほぼ完璧に近い人格者です。

大半の人が、支持するような、そんな「人格者」です。

そんな実力も中身も最初から備わっているキャラが主人公なので、主人公の成長…という部分は、描くのが難しい設定だなと思いました。

はっきり言ってしまうと、どれだけ難易度が高い事件が起こっても、とりあえず主人公が解決するんだろうな……的な感じです。

「冒険譚」というには、少し盛り上がりに欠ける印象を受けました。

これは本作というよりも俺TUEEE系の物語について回る課題だと思いますけど。

主人公に関わる部分で、個人的にどうしても気になってしまったのが、主人公は現実世界では40歳くらいで病気で早死をして、異世界に転生する運びとなるのですが、異世界では中身はそのままに新たに赤ん坊からのスタート。

40歳の人格者という点を顧みれば、言葉遣いや台詞などはその設定どおりの描写は出来ており、だからこそ転生先の少年の姿で、こんな言葉遣いしているのか…と思うと、私的にはどうしても違和感。

同世代の仲間達が年相応に描けているからこそ、余計に主人公の違和感が浮き出ました。

中身は大人で外見は少年、という設定通りなんですけどね。
なんでだか、凄く気になってしまった点でした。

レビューまとめ

・他とは一風違う、俺TUEEE系異世界転生ラノベ

・チート能力による無双ではなく、丁寧に作り込まれたファンタジー異世界を登場人物達と一緒に楽しむような作品

・タイトルの伏線と設定は想定外。そこに一体何の真実があるのか気になる。

・主人公の性格・設定、文体が平淡なため、冒険譚としては盛り上がりに欠ける部分も。もっとドキドキするようなイベントを期待したい

本作はいくつかのサイトで掲載されております。

今回のレビューは、私が普段使い慣れている「小説家になろう」掲載分を読ませていただき、レビュー(感想)についてはカクヨムに書かせていただきました。

記事文末に「小説家になろう」「カクヨム」の、それぞれの作品ページへのリンクを貼っております。

ラノベ生活は
おかか貯金箱先生「吐き気を催す冒険譚」
を応援しています。

レビューをご覧になり興味を持たれた方はぜひご一読いただき、感想をお願い致します。

作品ページは
「小説家になろう」版はこちら
「カクヨム」版はこちら